住宅ローンは、払えるかだけで決めると危ないです。大事なのは、払った後に家計と心の余白が残るかです。
私にとって住宅ローンは、家を買うためだけの話ではありません。働き方、会社との距離感、家族の安心にも関係しています。
高い家を買えば、最初は大きな満足感があります。ただ、その満足感が長く続くとは限らないとも感じています。
考え方を変えるきっかけになった本があります。ソニア・リュボミアスキー氏の『幸せがずっと続く12の行動習慣』です。
この本を読んで、見栄の支出にはかなり慎重になりました。高価な家や車で得る幸福感は、長く続きにくいと知ったからです。
それより、毎日の食事や家族との時間を少し豊かにしたい。そう考えてから、住宅ローンへの見方も変わりました。
住宅ローンは借りられる額で考えない
住宅ローンを考えるとき、借入可能額は気になります。銀行がいくら貸してくれるかは、確かに大きな判断材料です。
しかし、借りられる額と安心して返せる額は違います。銀行が貸してくれるからといって、家計が楽とは限りません。
わが家が住宅ローンを組んだとき、意識した基準があります。物件価格が、当時の年収の4倍程度に収まっていたことです。
毎月の返済額も、以前の賃貸家賃と大きく変わりませんでした。そのため、生活水準を急に落とさずに済むと判断できました。
さらに、生活防衛資金をある程度残せたことも安心材料でした。家を買った直後に、手元資金がなくなる状態は避けたかったのです。
住宅ローンは返済後の余白で見る
住宅ローンは、借りられる上限まで借りる必要はありません。払った後に余白が残る金額で考える方が、長く安心できます。
返済負担率や返済額シミュレーションは、事前に数字で確認した方がいいです。感覚だけで決めると、後から修正しにくいからです。
ネット上には、高い住宅ローンを組んで後悔した体験談も多くあります。読み進めるほど、借りすぎの怖さが見えてきます。
返済が苦しくなった場合は、住宅ローン返済の見直しという選択肢もあります。ただ、最初から無理をしない方が安心です。
もちろん、他人の後悔が自分にそのまま当てはまるわけではありません。それでも、無理な借入の危険を知る材料にはなります。
住宅ローンで後悔する人の共通点も見ておく
ネットで住宅ローンの後悔談を見ると、共通する失敗がいくつかあります。家を買う前の高揚感で、返済後の生活を軽く見てしまうことです。
購入時は、広さや設備や駅距離に目が行きやすいです。しかし、実際の暮らしでは食費、教育費、医療費、修繕費も同時に発生します。
家そのものに満足していても、毎月の返済が重すぎれば苦しくなります。だから、後悔談は他人事として流さない方がいいと思います。
私はそうした話を見るたびに、年収4倍程度に抑えた判断は間違っていなかったと感じます。家の条件より、買った後の生活を優先したかったからです。
高い家を買えたとしても選ばなかった
もっと高い家を買う選択肢も、なかったわけではありません。条件のよい家や、見栄えのする家も選べたと思います。
それでも、借入額を増やせば後で苦しくなると感じました。将来の自分の首を、自分で締めることになると思ったからです。
家を買うときは、価格と立地について妻とも話し合いました。特に妻は、不便すぎる立地は嫌だと言っていました。
そのため、立地については完全には妥協していません。自宅周辺にスーパーや保育園があることは、かなり重視しました。
反対に、駅近や家の見栄えはある程度あきらめました。在宅勤務が中心なので、駅近の優先度は高くなかったからです。
住宅ローンと見栄の幸福感は長続きしにくい
『幸せがずっと続く12の行動習慣』を読んで、印象に残ったことがあります。高価な家や車で得る幸福感は、長く続きにくいという考え方です。
もちろん、新しい家や立派な車を買えば、最初はうれしいと思います。私も、もっと見栄えのする家に憧れた気持ちはありました。
しかし、人は良い環境にも慣れてしまいます。最初の感動が薄れると、毎月の返済だけが重く残るかもしれません。
それなら、家そのものにお金をかけすぎない方がいい。毎日の食事や家族との時間に、お金を使える方が幸せだと思いました。
住宅ローンは、家の立派さを競うためのものではありません。家を買った後も、家族が穏やかに暮らすためのものです。
仕事が辛いとき住宅ローンを抑えた意味が分かった
住宅ローンを抑えてよかったと強く感じたのは、仕事が辛いときです。もし返済が重ければ、今のような働き方はできなかったと思います。
短期的に年収が下がっても、派遣先を変更できたことがあります。住宅ローンが重ければ、その判断はかなり難しかったはずです。
炎上案件を断ることや、夜間・土日対応を減らすことも同じです。固定費が重いと、生活のために仕事を抱え込みやすくなります。
3年ほど前までは、家を守るために会社にしがみつく感覚がありました。今は、そこまで焦っている状態ではなくなってきました。
住宅ローンを抑えたことで、投資に回せるお金も増えました。資産が増えるほど、会社員としての拒否権も少しずつ持てます。
日常の安心感は思った以上に大きい
住宅ローンを抑える効果は、大きな決断のときだけではありません。日常生活の中でも、かなり大きな安心感があります。
たとえば、スーパーで必要なものを買うときです。毎回お金の心配をしすぎずに済むことは、地味に大きいです。
自分や子どもが病気になったときも同じです。お金を理由に、病院へ行くことを我慢するのは避けたいです。
必要な出費だから仕方ない、と考えられる余白があります。この安心感は、家計だけでなく心の余裕にもつながっています。
高い家を買って少しだけうれしくなるより、日常の不安が少ない方がいい。今の私は、その方が長く続く幸せに近いと感じています。
固定金利は安心感を買う選択だった
わが家の住宅ローンは、全期間固定1.17%です。当時は、変動金利ならさらに低い条件もありました。
それでも、私は全期間固定を選びました。当時の金利水準は、かなり低いと感じていたからです。
これ以上下がるより、将来は上がる可能性の方が高い。そう考えると、固定金利の安心感は大きいものでした。
全期間固定なら、金利が上がっても返済額は変わりません。毎月の返済額が読めることは、家計管理を楽にします。
繰上返済よりNISAを優先している理由
今すぐ繰上返済をしない理由は、金利が低いからです。もう1つは、NISAへの投資資金を優先したいからです。
低い固定金利で借りているなら、急いで返す必要は薄いと感じています。その分を投資に回した方が、効率的だと考えています。
もちろん、借金がある状態で投資をする不安はありました。住宅ローンを抱えながら資産運用することに葛藤もありました。
しかし2022年以降、日本でもインフレが進んでいます。投資をしないことのリスクも、以前より大きく感じるようになりました。
もちろん、投資にはリスクがあり、元本割れする可能性もあります。それでも、家を買った後も資産形成を止めずに済むことは大きいです。
子育て世帯ほど住宅ローンを大きくしすぎない
子どもがいる家庭ほど、住宅ローンは慎重に考えた方がいいです。教育費、医療費、食費、旅行など、家以外にもお金がかかるからです。
わが家の場合、近くにスーパーや保育園があることも助かっています。もし遠ければ、車を手放すことは難しかったかもしれません。
車を持ち続けていれば、毎年50万円ほど維持費がかかったと思います。その分だけ、投資による資産形成も遅れていたはずです。
住宅価格だけを見ると、立地の価値は分かりにくいです。しかし日常生活の動線は、家計にも大きく影響します。
子どもには将来、住宅ローンで背伸びしすぎるなと伝えたいです。家を買うことより、買った後に余計な苦労をしない方が大事です。
家を買って後悔した細かい点もある
住宅ローンを抑えたことには満足しています。ただし、住宅購入で細かい後悔がないわけではありません。
1つは、庭を最初から人工芝にしなかったことです。後から工事すると、手間も費用もかかってしまいます。
もう1つは、1階の大きめの窓にシャッターを付けなかったことです。購入時に対応していれば、後々の設置費用を抑えられたと思います。
外観や内装が少し安っぽいと感じたこともあります。ただ、これは慣れてしまえば大きな問題ではありませんでした。
家は買って終わりではなく、維持するお金も必要です。修繕費まで含めて、余白を残しておく必要があります。
見栄を捨てることで幸せになれた
今回の記事で最も伝えたいのは、見栄を捨てることの大切さです。高い家を買うことが、必ず幸せにつながるとは限りません。
立派な家に住んでも、毎月の返済に追われるなら苦しいです。家族との時間や仕事の自由度を失うなら、本末転倒だと思います。
私の場合、駅近や見栄えを部分的にあきらめました。その代わり、住宅ローンを抑え、家計の余白を残せました。
余白が残る住宅ローンとは、余計な苦労をしない住宅ローンです。背伸びしすぎず、家を買った後の人生を守る考え方です。
私は、見栄を捨てたことで幸せになれたと思っています。家の立派さより、家計と心の余白を選んでよかったです。
まとめ
住宅ローンは、払えるかだけで考えない方がいいです。本当に大事なのは、払った後に余白が残るかどうかです。
わが家は、物件価格を当時の年収の4倍程度に抑えました。毎月の返済額も、以前の賃貸家賃と大きく変わりませんでした。
その結果、日常生活や医療費で過度に不安を感じずに済んでいます。家を買った後も、NISAへの投資を続けられています。
『幸せがずっと続く12の行動習慣』を読んだことも大きかったです。高価な家より、毎日の安心や家族の時間を大事にしたいと思いました。
住宅ローンは、会社への鎖にもなり得ます。だからこそ、背伸びしすぎない金額で考えた方がいいです。見栄を捨てることで、家族と自分の自由は守りやすくなります。家を買った後の人生に、余計な苦労を増やさないことが大事です。
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※本記事は、筆者個人の経験や考え方をまとめたものであり、個別の投資助言、金融商品の推奨、住宅ローン等の契約判断を目的としたものではありません。投資には元本割れのリスクがあり、住宅ローンや家計管理の適切な判断は各家庭の状況によって異なります。重要な判断を行う際は、公式情報や専門家の意見も確認し、ご自身の責任で判断してください。


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